こんにちは、ながです!
突然ですが、「HSP」という気質のことを知っていますか?
心理学が好きな方などは聞いたことがあるかと思いますが、HSPとは「Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)」の略で、生まれつき感受性が高く、かなり敏感な気質を持った人ということですね。
だいたい5人に1人くらいの割合でいるのだとか。
※この概念を提唱されたのはアメリカの心理学者であるエレイン・アーロン博士です。
勘違いする方がいるかもしれないので念のため言っておきますが、病気ではありません。
気質なんです。
性格とはちょっとニュアンスが違うのですが、簡単に言えば生まれ持ったその人の心の在り方。とでも申しましょうか。
何を隠そう私、ながもHSPと思われます。
なので今回はこちらの本を読ませていただきました。とても共感する部分が多く、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。
「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる
「繊細さん」の本
まずは一言謝ります。ごめんなさい。
何故かって?たぶんこう思った方が多いのではないかと。
って。
まぁまぁ一旦落ち着いてください。
この本の著者「武田友紀」さんはHSP専門のカウンセラーとして本書発行当時(2018年)で600人以上のHSPの方々のカウンセリングをしたという驚くべき実績の持ち主なのです!
そして著者の武田さんもHSPなのですって!
だからこそ、同じように繊細な感覚に悩む人々の気持ちがわかる。というのですね。
そして、この武田さんがHSPの人に対して、親しみを込めての呼び名が「繊細さん」なのだそうです。
たしかに本書でも書かれているとおり、「敏感すぎる人」なんて言われたら、なんだかネガティブなイメージを持たれそうで嫌ですね。「繊細さん」って呼ばれる方が温かい気持ちになれます。
本書では「繊細さん」と「非・繊細さん」(HSPではない人)についても書かれており、私としてはどちらの方にも読んでいただけたらな~と思う一冊です。
著書の大前提
まず、そこの繊細なあなた。
そうあなたです。
車の音や人々の話し声、パチンコ店の前を通るときにその扉が開き、騒音が耳に入る。
スイーツ店の甘すぎる匂い。あるいはゴミ収集車やゴミ置き場のちょっと嫌な臭い(収集業者さんいつもありがとうございます!)。
沢山の人やものがある場所に行ったとき、視界からの情報が多すぎて疲れる。
上司がなんだかピリピリしていて気になって集中できない。
などなど挙げ始めたらキリがないのですが、こういったことに困ってしまっている「繊細さん」ではないでしょうか?
これらの、人一倍感覚が敏感なことは悪いことだ。
そう思っていませんか?
著者も言ってくださっていますが、重ねて私からも言わせてください。断言します。
人一倍敏感なことは決して悪いことなんかじゃありません!
これだけは本当に協調したいしさせていただきますが、この本の大前提はこれです。
繊細さんは、自分のままで生きることでどんどん元気になっていくのです。
この言葉だけでどれだけの繊細さんが救われることでしょう。
もっと早くこの本に出会いたかったと心の底からそう思います。
繊細さんと非・繊細さんの違い
前述したとおり、HSPの人を繊細さん。そうでない人を非・繊細さんとこの本の中では紹介しています。
この本の中で、区切りとして第五章まであるのですが、その各所に繊細さんならどう感じてどう考えるのか、非・繊細さんならどう感じてどう考えるのか。というふうにわかりやすくイラスト付きで解説されています。
このイラストがまた可愛らしいのです。表紙に写っているイラストですね。
イラストは福田玲子さんという方が担当しているそうです。
調べてみたらNHKの番組内の再現イラストなども手掛けているそう。すごい方たちですね…!
内容
主な内容として、著者はこのように仰っています。
この本は、繊細なカウンセラーによる、繊細さんのための、実際に有効だったノウハウを詰め込んだ実用書なのです。
なのですよ。実際に。
この本を読んで、繊細な感覚を無理に閉じ込めずに、むしろ活かしていこうねっていうことです。
いやいやそんなん無理でしょ?って最初は思うかもしれません。でも大丈夫です。
私も繊細さんなので、この本を読む前から実際に試していたことなども書かれていました。
例えば…
- 苦手な人から思いっきり距離を取る。
- 行きたくない誘いは意識して断る。
- 合わない環境(うるさい場所など)には極力近づかない。
これらは繊細な自分に気づくかどうかといった頃に試していたり、別の考えから自然とやっていたことでした。
行きたくない誘いを断る。に関しては、自分の時間の使い方というのを見直して、本当に行きたい誘いしか付き合わないようにしたことが大きいです。
ちょっと冷たい人だと思われそうですが、大丈夫。それがなぜ大丈夫なのかというのも本書の中ではしっかり解説されています。
そして本書には、自分が嫌な事や嫌な人からは距離を置いていい。合わない環境からは逃げてもいい。というメッセージも入っています。
そして何よりも伝えたい事が、繊細だから生きづらいこともあるけれど、繊細だからこそ幸せに生きることが出来るかもしれないんだよ。
って事です。
繊細な感覚は、良いことも悪いこともキャッチしてしまう。そのため悪いことは上手に避けて、良いことを全力で感じていくようにするといい。というわけですね。
著者が実際にカウンセリングをして、辛いって感じていたたくさんの繊細さんが、今では元気にご活躍されていることなども書かれています。
ながの実体験による共感
本の中でこんな言葉が綴られています。
繊細さんにとって最大の罠は「相手の”わからない”という感覚が、わからない」ことなのです。
第3章 人間関係をラクにする技術より抜粋
これなのです。
これは繊細さんにとってもそうですが、非・繊細さんにとっても同じことで、例えば…
私はけっこう人の声のトーンや雰囲気で、相手の機嫌などを察知しがちなのですが、昔に友人(クラスメイト)との会話中に元気が無いことに気づきました。
なが「なんかあったん?」
友「何でわかったの?いやこの前さ~…」
といったことが何度かありました。
そしてその子が最後に言うんです。
友「〇〇(一番仲の良い友人)でも気づかなかったのによく気付いたよね」
って。
何ででしょうね。不思議なもんで気付いてしまうんです。
これ、仲が良いならだいたい気付くだろうと思っていたんですよね。
ところがそうでもないらしく、これはある種の繊細さんならではの特殊能力みたいなもので、繊細さんは色々な感覚が敏感だからこそ直感的に雰囲気などで相手のことを感じ取るのだそう。
心当たりはすごくありました。
以前働いていた職場で、上司が私を嫌いになった時もすぐに気づいてしまい、あの頃は辛かった…
私自身はその方を尊敬していたので…
仕事上隠しているつもりなのでしょうが、私には筒抜けなわけで。(笑)
退職するときには仲直りしてくれたのは良かったかなと思います。
若かりし頃に仲の良い友人が怒りそうなときなんかもそうで、「あ、来たなこれ」って気付いて止めに入るとか。(笑)
繊細なことは、けっこういい方にもはたらくものだというのは、実体験としてちゃんと理解はしていますが、やっぱりね、大変なこともままあるわけです。
知っておきたかったこと、知っておいてほしいこと
繊細さんの一人として言わせてください。
この余裕のない人が多い時代だからこそ、もう少しだけ周りに配慮していただきたいのです。
無理のない範囲で構いません。
私自身、ちょっとした音にも敏感なので職場の更衣室で誰かがロッカーを強く閉めたり、荷物をテーブルに落とすように置いたりする音でも神経にビリっとくるような感じになります。
非・繊細さんにわかりやすく言うのであれば、私にとってのそういった音は耳元で怒鳴られるくらいびっくりするのです。
どうでしょう。毎日のように耳元で怒鳴られたら。ちょっと疲れちゃいますよね。
クレーム社会だのと言われる息苦しい時代でもありますが、無理のない範囲で、そういう人もいるんだなって覚えておいてくれるだけでもかなり助かるのです。
個人的に一番知っておきたかった事
相手との境界線を引いて自分のペースを守る
第3章 人間関係をラクにする技術より抜粋
この部分です。ここでは著者が例として「人といると疲れます」という相談の事を挙げていますが、これが本当に共感するのです。
友人たちと楽しく遊んでも帰るとぐったりしてしまう、なんて時があるほどなので。
そしてこの章では、そういった悩みに対する対策などで実際に効果があったという方法を解説してくださっています。
どうやら人と対面して話す際に、物を間に置いたりするだけでも効果があるとか。
詳しくはぜひ本書を手に取って読んでいただきたい。
こういった手軽に試せるワザが沢山出てきます。繊細さんなら読んで損はしないはず!
おわりに
今回は「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる「繊細さん」の本
こちらを読んでのレビューでした。
全部で240ページほどなので、読み始めるにはもってこいのボリュームです。
そしてそのページ数に見合わぬ濃い内容なので本当におすすめします。
繊細さんでも非・繊細さんでも一読の価値アリです。
繊細さんならこの本に書かれている技術を生活に取り入れ、より自分らしく生きていく希望が持てるでしょう。
非・繊細さんなら「そういう人もいるんだな」って視野が広がると思いますし、それを知って少しだけでも配慮してくれるようになったら本当にありがたいことだなと思います。
どんな方でも、今より少しでも自分らしく楽しく生きられるようになりますように!
それでは、また!